ゆるろぐ -Urbanisme Log-

建築、都市を学び、生業とするわたしのことだま。

道東ろぐ7 〜毛綱毅曠のまち、釧路〜

半世紀も経てば、土器とスマートフォンは同じガラスケースの中に展示されていても、まったく不思議じゃないだろう。

 

バスセンターから歩き出すと、雨はだいぶ弱くなっていた。

日本の端っこまで来てしまったことを、交番を見て知る。

なんと、ロシア語の表記。

 

気を取り直して、散策開始。

 

釧路駅周辺には、二つの市場がある。釧路和商市場と、くしろ丹頂市場だ。

前者が、どちらかといえば観光客向けの市場らしいが、まだ開店していなかったのでスルー。

 

まず向かったのは、フィッシャーマンズワーフMOOだ。

↑明らかに奇妙な建物。

↑積み木みたいだ。

 

こちらが、毛綱毅曠が設計した建築である。

 

ぼくは、毛綱毅曠に詳しいわけではない。学部の近代建築史の授業で、日本の近代の建築家の紹介の中で触れられていたのを覚えている。

授業で紹介されたのは毛綱毅曠の代表作である「反住器」。

母親のために設計した住宅で、箱が3重にかぶさって住空間を作っている。

それの何を先生が指摘していたかは覚えていない。ただ、強く印象に残った。

 

中に入ろうとするも、まだ営業時間じゃないので、おとなしく散策続行。

フィッシャーマンズワーフの隣には、釧路川が流れ、そこに大きな橋がかかっている。

 

奥に見える丘の上に登ってみようと思う。

 

↑立派な橋。正面に見えるのは、毛綱毅曠の設計したホテル。

↑河口の方を見る。なんだか知らないけど、蟹工船が思い出される。

↑丘の下についた。花壇は都計になっている。

 

↑驚くべきは、ラウンドアバウトになっていること。ラウンドアバウトとは、外国で見られる信号機を設置しないで交通を捌く交差点の形式。ロシアが近いからなのか、珍しい光景。

 

↑出世坂、と呼ばれる坂を登ると丘の上の公園に着く。

↑丘の上からの形式。見事な曇り空。

↑公園。

 

と、冗長になってきたので、ここからは建築単位でハイライトしていく。

 

日本銀行釧路支店

設計:西村好時

竣工年:1952(昭和27)年

 

形式美を感じる建築。丘の下に経っていて、先ほどの写真にもちらちら映っていた。重厚な銀行建築に惹かれた。銀行機能は移転しており、現在は空き家状態みたいだ。

 

②釧路センチュリーキャッスルホテル

設計:毛綱毅曠

竣工年:1987年

↑船をイメージして作られた上層部。

↑内部空間も船室が意識されている。こちらは扉のデザイン。

 

とても綺麗なホテルで泊まってみたいと思った。船を意識したデザインを随所に感じることができた。先日見た「シェイプ・オブ・ウォーター」の雰囲気を感じた。

 

③フィッシャーマンズワーフMOO

設計:毛綱毅曠

竣工年:1989年

↑どことなく、海底2万マイル感がある。

↑横には、無料の植物園が付いている。

↑玄関の証明のデザイン。

↑大きな倉庫のような内部空間。

↑ゴツゴツしすぎている。

 

一通り散策し終えて、市場の営業時間になったので駅の方向へ戻った。

↑釧路和商市場

勝手丼が名物と聞いて食べてみる。ご飯を買って、具材はお店を回って集めるというのが勝手丼だ。

↑ぼくの勝手丼。うますぎてびっくりぎょうてんはなびろりん。

 

この勢いで、お昼ご飯を紹介しとくと、、、これだぁ、1、2、3!

↑さんまんま

釧路の料理人が編み出した料理。さんまの蒲焼の下には、しその葉とごはん。美味美味。

 

そして、最後に釧路市立博物館へ。

↑これは博物館ではない。釧路市立幣舞中学校だ。毛綱毅曠設計。

↑こちらが博物館。毛綱毅曠設計。

釧路についての歴史や自然についての展示。非常にわかりやすく、ボリュームもたくさん。

 

これを見て、釧路湿原に行かないわけにはいかないと思い、走って釧路湿原へ向かった。

↑奇跡のショットがとれた。手前に写るのは、そう、丹頂鶴!

 

釧路の青空とどこまでも続く大草原。

そこに白く輝く鶴。

走ってきた甲斐があった。

釧路万歳。

 

 

なわけがない。

全部展示だ。

でも本物と見紛う背景の絵と、鶴の像。

展示クオリティすごいので、おすすめ。

 

土器を展示している部屋は無料で見ることができる。

↑よーく見ると、土器の間に土器じゃないものが…。

↑温度、湿度計だった。

半世紀も経てば、土器とスマートフォンは同じガラスケースの中に展示されていても、まったく不思議じゃないだろう。なんて思う。

 

 

これで、だいたい釧路は見れた。

それでも、まだ時間があるので、フィッシャーマンズワーフMOOで暇をつぶす。

そして、やっと晴れてきた。

遅れてやってきた台風一過だ。

 

↑雲が丹頂鶴のよう。

↑急に、いい天気。

 

ぼーっとして過ごして、時間になったので、駅へと歩く。

 

最後に駅だけ紹介しておきたい。

個人的に釧路駅、かなり好き。

というのも、駅ナカ売店がいい。

 

駅ナカに古本屋。本は安く、買取も行っている。

↑金券ショップ。やってなかったけど、うさんくささがいい。

昭和館満載のなつかし感。だれがみてもなつかしいと思わず口にしそう。

コッペパンの種類が豊富なパン屋さん。

↑買ってしまった。ポテトサラダのコッペパン

 

そして、そして、やっとこさバスの時間。

バスに乗る前に、7日間乗り放題のフリーパスポートを購入した(11000円)。

↑こちらのバスに乗って、出発。

 

青年は、とうとう、一つ目の湖、阿寒湖に向かう。

これがこの旅での最初で最後の湖になるとは、この時まったく想像していなかったのである。