ゆるろぐ -Urbanisme Log-

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都市生活屋のブログ

一級建築士(学科)を独学で合格した記録

2020年と言えば、やはり「コロナ」に尽きる。

 

東京オリンピックが延期となり、その他様々なイベントが続々と中止された。

自分の予定が狂ってしまった人も多くいたのではないだろうか。

 

そんな中、個人的なチャレンジとして、一級建築士試験を受けた。

 

学科は独学で、製図は資格学校に通い、約半年間を一級建築士に費やしたので、その勉強方法や感じたことなどをつらつらと書きたいと思う。

 

まずは、学科試験を独学で突破した記録について書く。

 

 

0. 一級建築士試験を受けようと思ったわけ

コロナが流行り出した今年の3月はまだ大阪の友人の家に遊びに行ったりしていた。

その友人は建築学科時代の同期であり、不意にこんなことを言われた。

「今年はオリンピックも中止だし、勉強に集中できるぞ。俺は一級建築士を受ける。」

 

確かに一理ある。

僕は、仕事で建築設計はしていないので、一級建築士なんて受ける気はさらさらなかった。もちろん持っていれば、仕事の幅は広がるし、直属の上司は一級建築士の資格を持っているから、全く興味がなかったわけじゃない。

この友人の言葉で、今年1年海外旅行にも行けないし、イベントも中止になるし、どうせ暇なら受けてみるかと思ってしまった。

 

ということで、僕のコロナチャレンジとして、一級建築士試験受験が始まったのだった。

 

1. 結論

結論から。

今回は初めてスタディプラスというアプリで記録してみたので、しっかりデータが残っている。

勉強期間:約2.5ヶ月

勉強時間:約240時間(217時間(記録)+α)

費用:約5万円

<費用内訳:3.5(テキスト)+0.5(模試)+0.3(法令集)+0.3(最新過去問集)+0.1(スマホアプリ)>

 

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▲勉強時間

 

使った教材:

①昨年度の資格学校のテキスト

法令集

一級建築士 過去問題集チャレンジ7


1級建築士 過去問題集チャレンジ7

 

④アプリ:受験対策一級建築士

 

tk-office.wixsite.com

2. 4月:戦いの準備期間

4月、僕は転勤のため引っ越しをした。その引越しのタイミングと同時並行で、まずは願書を取り寄せ、出願の準備をしていた。

 

urlog.hatenablog.jp

 

昨年は、コロナの影響で、郵送のみの受付となった。

さらに学校からもらう単位の証明書については、大学が閉鎖されていた関係で、後から提出することが認められた。

実は、4月上旬に準備を始めたため、すでに願書提出に間に合わないスケジューリングだった。この特別措置があったおかげで、僕はなんとか出願することができた。

 

4月は、新しい家具や家電の調達、新天地でのテレワークなどで忙しく、勉強している時間はなかった。

 

というよりも勉強方法すらどうしようか考えていなかった。

 

ひとまず、メルカリで資格学校のテキストを購入することにした。

メルカリで3.5万円くらいで、昨年度の某S学院の教材を一式購入することができた。

 

法改正などの関係で、必ずしも全てが当てはまるわけじゃないが、できるだけ直近のものを買うことが望ましいと思う。

 

3. 5月:ゴールデンウィークより勉強開始

仕事やら新生活が落ち着き始めたゴールデンウィークに、教材も無事に届き、勉強を開始した。

5月にやったことは、次の2つだ。

①教科書を読む

法令集の線引き

 

①「教科書を読む」について

教材は、ざっくりと言えば、「教科書」と「問題集」に分かれている。

まずは、試験範囲を把握するためにも教科書を読むことにした。

 

早速、

一級建築士の試験範囲の広さよ、とほほ」

という状態になった。

それくらい、勉強量が多い。

 

ただ、ここでは内容を覚えるというよりも、「試験の全体像を把握する」というくらいの心持で読んでいた。

 

一級建築士試験は、計画、環境・設備、構造、法規、施工の5教科あるので、この5つの分野を1章ずつ順番に読んでいくことで、一つに没頭しすぎないようにした。

順番に読むことで、頭もリフレッシュできるのでよかった。

 

②「法令集の線引き」について

法令集の線引きは早いうちにやったほうがいい!と強く言っておきたい。

ただ線を引くだけなので、願書の準備と同時並行でやるくらいがいいですよ。

 

法令集は、いろいろな会社から出版されているけど、僕はA5サイズの総合資格学院の法令集にした。

机の上でスペースを取らないコンパクトな大きさであり、試験本番で問題用紙をおきながらの使い勝手も良い。

もちろん、中身は見やすく、持ち歩くにも軽くてよかった。

法令集はどれにしようか迷ってしまいがちだけど、迷っている時間が無駄なので、どれでもいいので書店で手にとってさっさと決めてしまいましょう。

 


令和2年版 建築関係法令集 法令編S

 

そして、重要箇所の線引きとインデックスのセットは、予想以上に時間がかかった。

勉強の息抜きにYouTubeを流しながら、無心で作業していたが、15時間くらいかかったような気がする(残念ながら、時間を記録していなかったため、正確な時間は分からない)。

 

4. 6月:ひたすら問題集

6月にやったことは、以下2つ。

①問題集を解く。

スマホアプリを購入。

③模試を受ける。

 

①「問題集を解く」について

5月で教科書の読破が大方終わったので、ひたすらに問題集を解く。

教科書を読むときと同様に、問題集も1章ごとに全分野並行して進めて行った。

 

もちろん、教科書を一回読んだだけでは、さくっと解ける問題は多くない。

間違えた問題は、しっかり教科書に戻って納得いくまで理解する。

そして、間違えた問題には、印をつけておく。

 

ここでは、一つ一つの問題をしっかり理解することが重要だった。

 

②「スマホアプリを購入」について

さらには、スマホアプリを購入して、空き時間で知識を詰め込んだ。

使い方としては、直近で問題集を使って解いた問題と同じカテゴリーの問題をとにかく解く。

 

③「模試を受ける」について

独学の受験生は、外部模試を受けることをおすすめする。本番の試験を想定するために。

僕は、6月の半ばに日建学院の模試を受けた。

 

本当は、この模試までに問題集を全て終わらすつもりでいたが、6割ほどしか終えていない状態で模試に臨むことになった。

 

結果はどうあれ、初めて時間を意識して解くことで、それぞれの科目の時間がどういう感じかを掴むことができた。

特に、法規は時間がないということと、構造と施工は時間がたっぷり余ることを知れたのは大きかった。

 

5. 7月:問題集を終え、2周目。そして、昨年度の過去問を通しで解く。

7月は、問題集を終え、さらに、間違えた問題だけもう一度解く。

やはり、繰り返し解くことで、自分が理解できているのかを確認し、より知識を定着することができる。

1周目で、間違えた問題に印をつけておくのは、この時のためだ。

 

そして、最後に、一番直近の過去問を通しで解いた。

 

ここまでやれば、だいたいのことは頭に入った。

 

6. 結果:無事合格

自己採点ではあるが、合格基準点より10点ほど高い点数を取ることができた。

 

学科試験に受かるには、以下の2つが必要だと思った。

①良い教材

②十分な勉強時間 

 

①については、色んな方法で資格学校のテキストを手に入れるべきだろう。

 

②については、言わずもがなで、圧倒的量に対してそれなりの勉強時間が必要ということだ。僕は、試験直前は会社の昼休みにオフィスの非常階段の人目につかないところでひたすらにスマホのアプリをいじくっていました。

 

これから受験する人へ、少しでも参考になれば幸いです。