ゆるろぐ -Urbanisme Log-

建築、都市を学び、生業とするわたしのことだま。

春の色は。

これほどまでに世界がピンク色に染まる季節は春以外にはない。


今年も春がやってきた。

春の訪れは美しいピンク色の桜の花が咲く前に、赤く染まる鼻が教えてくれる。

ここ数年ぼくの体内の花粉ダムはとうとう許容量を超え、決壊が始まっていた。それでもまだ下流の村に被害が出るほどではなくなんとか凌いでいたが、今年はもう負けを認めざるをえない。25年目にして僕は負けたのだ。

 


花粉の被害はあるけれども、春は良い季節だ。

暗く寒い冬を耐えて迎える春の心地は本当に気持ち良い。

見えてる世界の色が暖色に変わる。日差しの色の橙が少し濃くなったように感じる。そして、花が咲く。なかでも桜、世界はピンク色に染まる。よくよく考えると、これほどまでに世界がピンク色に染まる季節は春以外にはない。

 


春は、出会いと別れの季節でもある。これまでのことが終わり、これからのことが始まる。

 


去年の僕は、学生が終わり社会人になった。そして社会人1年目が終わる。新入社員じゃなくなるのだ。

 


出張が多い仕事柄。今日も福岡への出張を終えた帰り。いつものように博多ラーメンを食べ、空港へ向かった。

少しだけ、都市計画分野の専門にもつながる話だが、なんと今日は福岡空港が地下鉄出口から直結オープンした日だ。

f:id:yudaidolce:20190328213548j:image

「直結?福岡空港も地下鉄も新しいものじゃないぞ。」なんて声が聞こえてきそうだが、その通り。ただ、福岡空港は来週4月より民間事業者が運営をすることになっている。これをニュースでは民営化というが、厳密には民営化ではない。

国は所有権を持ち続け、「運営権」を民間に売ったのである。つまり、完全に民間のものになるわけではない。運営を全面的に民間に任せることになるが、国は全ての権利を放棄したわけじゃない。ある程度のコントロールをすることは可能だ。これは税金で運営していた空港は、国がコストを負担する必要がなくなり、民間が運営してそこをある種ショッピングモール的にして収益を得ながら維持管理運営費を負担することとなる。官民Win-Winとなる構造だ。

 


と、退屈な話になったかもしれないが、そんなことを言いたいわけじゃない。地下鉄直結出口オープンの感動を共有したいだけだ。

というのも、この1年間出張で何度も福岡空港を使っており、ずっと工事をしていて正直使いにくかった。工事のためにある区域が封鎖されて動線が遠回りになっていたり、地下鉄駅に行くのに一度空港の外を歩かされたりという具合だったのだ。ただ一方で、毎度来るたびに少しずつ良くなる空港を見るのは、雛鳥を見守る親鳥の心境で、毎回楽しみだった。

さらに、今回の出張は1泊なので、行きに福岡空港に着いた時は地下鉄の直結部分にまだ仮囲いがされていて、帰りになって完成しているというタイミングも影響した。まさにファーストデイという特別感があった。

f:id:yudaidolce:20190328213630j:image
f:id:yudaidolce:20190328213635j:image
f:id:yudaidolce:20190328213641j:image
f:id:yudaidolce:20190328213626j:image

という、高揚感の勢いでいまブログを書いている。後から振り返ったらこんなことかとなりそうだが。

 


九州は、大自然と大インフラの地域だと思う。飛行機、新幹線、フェリー、高速道路、全てがしっかり整備されている。もちろん大自然もある。コンパクトな都市と手を伸ばせば触れる距離にある自然。この人工と自然のバランスが最適であること、それが九州の魅力かもしれない。

 


さて、春は出会いと別れの季節と書いたが、春は異動の季節だ。仕事で関わっている行政職員からは、他の部署への異動が決まったことを卒なく知らされる。行政にとっては異動は世の常であり、なんだか不思議な仕組みだなと思う。

 


年度が変わると、人も空港も変わる。新しくなった空港で、インフォメーションにどこへ行けばいいかを問い合わせている人を横目で見ながら、サインを頼りに出発ゲートへ向かう。心なしかいつもよりたくさんの人がいる。荷物検査場もまた例に違わず混んでいた。どの列に並べば一番早いかを見極めようと辺りを眺める。4人組の若い男子が視界に入る。1人を3人が見送りに来ているよう。見送る側のうちの1人は顔を腫らして涙目になっていた。

「頑張るよ。」

「忘れんなよ。」

そうか、きっと東京かどこかの大学に入るために上京する高校生だと想像する。

 


春は青い。若さもまた青い。今日乗り込むANAの機体は新型で、いつもより青が深い。春は希望に想像させられる。そんなワクワク感で、飛行機にてスマホ片手に駄文を書き連ねている。はて、春はピンク色に染まるのだから、青いは矛盾か。顔を上げるとCAの制服はピンク色。

 


平成最後の春が始まっている。1日1日を大切に噛み締めて過ごしたい。