仮説思考のススメ
backcastな考え方で幹を捉えて、必要な枝葉は後から付け足していく。
今日は久しぶりに社内で研修があった。研修といえば、退屈な授業を聞いたり、あまりにも短い時間での即興のグループワークをやらされたりと、正直身になっている気がすることはそうそうない。
そんな世間一般のイメージを背負う研修だが、今日の研修はかなりためになったので、ここに書き記しておこうと思う。
今日の研修のテーマは、「仮説思考」。
仮説思考とは、物事に取り組む際にあらかじめ仮説を持って取り組むということ。
これは、特別画期的な考えではない。理系の人なら(卒業研究をする文系の人も)研究をする中で鍛えられる能力だから。事象の要因の仮説を立てて、その検証と精査を繰り返した先に論理的な説が構築される。
この仮説の構築と検証がたったの一つであれば単純だが、複数の仮説が段階的に検証されて解を得るようなことになれば、必要な労力がうんと増える。
そして、業務とはそういうものだ。
都市計画(都市計画に関わらず多くの業務がそうであるかもしれないが)とは、まさに雑多な変数による方程式であり、変数一つ一つを決定しながら解を求めることになる。
個別の問題を扱う時はたいてい、そこに集中してしまい、当の目的を忘れてしまうなんてことが起きる。つまり、大して重要でない作業に凝ってしまったり、ましてや必要のない作業を作り出してしまう可能性すら潜んでいる。
美味しいカレーを作るために、ジャガイモを切っていたのに、ジャガイモの皮の剥き方に熱中してしまう。ジャガイモではなくても良いのではないかと思い、サツマイモを試してしまう。
僕らは美味しいカレーを食べてる時に、シェフから皮の剥き方や、サツマイモで挑戦して結局ジャガイモにしたことを熱心に話されても萎えてしまう。食材の産地とかもっと知りたい(重要な)ことがある。
業務における仮説思考とは、「業務開始時に最終的なアウトプットをチームで共有すること」だ。そして、そのアウトプットに向かって最適な作業計画を立てることで、無駄な業務を減らし、クオリティの高い成果を上げることができるのだ。
この仮説思考は、英語でいえば、"backcast"である。"forecast"【予報】の対義語。
前者は、目標像を決め、それに必要な作業を逆算的に考えること。
後者は、今を起点にして、作業を積み重ねていくこと。
明確な目標を据えて、逆算して計画的に進める。
今日の研修もまた、短時間である課題をチームで解いてアウトプットして発表する、という研修だったけど、あまりにも短い時間であることがこの研修ではミソだった。
短いからこそ、forecastな考え方では全く通用しない。backcastな考え方で幹を捉えて、必要な枝葉は後から付け足していく。
例えるならば、徹底的に、真正面から急所を攻め続けるような戦い方だと思う。
個人的には、何でもかんでもやってみて試行錯誤で人間は成長していくと思ってる。つまり、行動しない人はいつまでも何も成し遂げられない。
本田圭佑の言葉だと、「失敗にとらわれるな。成長にとらわれろ。」に当たると思う。
でも、今日の研修の考え方は、その反対側に立っているけど、上記の考えと共存する考えだと思う。
研修が終わって、「めっちゃ為になった」と思える研修なんて本当に数少ないと思う。
仮説思考、実践していこう。