ゆるろぐ -Urbanisme Log-

建築、都市を学び、生業とするわたしのことだま。

インドろぐ12 〜インドの鉄道はやっぱりすんごい遅れる〜

ガタンゴトン、ガタンゴトン。

 

目を覚ましても、そこは狭いトイレである。

 

電車は結構早いスピードで走っているようだ。

 

壁についた濁ったガラス板が、光っては影を落とすリズムからそんなことが分かる。

 

夜が明けていた。

 

スマホで時間を確認すると、午前6時半である。

 

吐き気、便意はおさまっていた。

 

長時間の体育座りで体はバキバキに凝っていた。

 

とにかく横になりたい。

 

自分の席に戻ることにした。

 

暗闇に包まれていた車内の廊下も、朝の光が充満していた。

 

幸運なことに、僕のゲロの匂いは全くしなかった。

一生懸命掃除してよかった。

 

僕は、自分のベッドに着いた。

 

やはり、カーテンは開けっ放しだった。

せめて閉めていけばよかった。

 

ただ、荷物を確認すると、大きなバックパックも小さいバックもある。

 

よかった、盗まれてはいない。

 

はしごでベッドに登る。

 

真横になると、また気持ち悪くなるかもしれない。

 

僕は、バックパックに寄りかかって、座ったままで寝る体制を整えた。

 

その間にも、チャイやトマトスープ、スナック、飲み物を売るおじさんたちが列車を忙しなく往復している。

 

すぐに眠気が襲い、眠りについた。

 

便意があるたびに、トイレに行き、またベッドに戻って寝るということを繰り返した。

 

疲れ果てていたし、頭もぼんやりしていた。きっと熱も出ていたのだろう。

 

時間は10時になった。

 

辺りを見回すと、人が結構減っている。

 

みんながみんなバラナシへ行くわけではないみたいだ。

 

到着予定時刻は11:40分だ。この地獄もあと2時間ほどで終わる。

 

もうすぐのはずだった。

 

列車は名前のわからない駅に着いた。

 

隣の席の下段のベッドが空いたので、そちらに移動することにした。

 

近くにいたインド人にムガルサラーイ駅までどのくらいかかるか聞いた。

 

すると、2時間くらい遅れていると言われた。

 

そんなに遅れるのかよ。と半分信じきれなかった。

 

下段の席から、外の風景を眺めながらウトウトしていた。

 

すると、また、ある駅に停まった。

 

さっきと同じ人に、ここはなんという駅かを聞いてみると、アラーハーバード/Allahabadと言われた。

 

やっと現在地が確認できた。

 

まだまだ、ムガルサライじゃない。

 

ここから2時間はかかると言われた。

 

さっきと変わってないじゃないか、と思うが、とりあえず席に着く。

 

僕の座る席の向かいにインド人の青年が座った。

 

列車はまた走り出した。

 

僕は気分が悪かったから、そのまま横になって寝た。

 

しばらくすると、チケットのチェックをする車掌さんが青年のところへやってきた。

 

すると、談笑しだす。

 

なんだか知り合いみたいだ。

 

車掌さんも一緒に座って、仕事をしだした。

 

もう一人、車掌さんがやってきて、僕の隣に座った。

 

寝たままでいい、と言ってくれたので、僕は横になったまま目を瞑っていた。

 

せっかく車掌さんがきたので、ムガルサライ駅までどのくらいかかるか聞くと、この列車は3時間遅れていることを教えてくれた。

 

まだ3時間もかかるのか、という思いでいっぱいだったが、昨日の夜と比べたら全然マシだ。

 

お昼になると、車掌さんが弁当を広げ始める。

 

中身は当然カレーだ。

 

僕は、もう匂いだけで無理だった。

 

近くにいることはできないから、おとなしく自分のベッドへ戻った。

 

荷物の整理をして、そのまま横になって眠った。

 

思ったより深い眠りについた。

 

起きると時間は13時半だった。

 

少し焦ったが、また下の席に降りて座ることにした。

 

昨日から体の水分を排出しすぎて、脱水状態が心配だったので、飲み物を買った。

 

水とマンゴージュースを買う。

 

飲み物を売っているおじさんは、英語を全く喋れない。

 

何円かもわからないから、適当にお札を出して、様子を見ながら会計した。結構安かったから、特にぼったくられもしなかった。

 

しばらくすると、駅に着いた。

 

そろそろムガルサライ駅かと思って、出口に立ってたおじさんに聞くと、もう一つ先だと教えてくれた。

 

念のため、いろんなおじさんに聞いて確認したが、やはりもう一つ先らしい。

 

そして、無事、3時間の遅れでムガルサライ駅に着いた。

 

↑ムガルサライ

 

列車を降りると、すぐに男が寄ってきた。

 

タクシーの運転手らしい。

 

宿は、ウッドリア交差点から歩きなので、ウッドリア交差点まで行きたい。

 

ただ、最初に話しかけてくるようなやつは信用ならないことは、経験則から分かっていた。

 

一応値段を聞くが、やはり高い。

 

どんどん値下げしてくるが、お前のタクシーには乗れない。

 

彼が誘導する方向とは別の方向に行くと、オートリキシャの男たちがたくさん待ち構えている。

 

少し交渉しながら歩く。

 

歩きながら、別のオートリキシャの男を捕まえ、オークション形式に持ち込む。

 

300ルピーまで下がったが、それ以上は下がらなそう。

 

そうやって交渉していると、ガタイのいい、馴れ馴れしいおじさんがやってきた。

 

200ルピーで言ってやると言われた。

 

すると、その男の周りにオートリキシャの複数の男が群がり、口喧嘩を始めた。

 

そして、周りの男たちは、僕に、こいつは危険だからやめとけ、と言った。

 

見るからに危険な男だった。なんだか目がいってる。そんな気がした。

 

300ルピーと言ってきた男に決めたというと、その狂った男は150ルピーでいいと言ってきた。ますます怪しい。

 

300ルピーの男に着いて行く間も、狂った男は僕の前に現れて僕の手を引いたりするが、周りの男たちがそれを止めている。

 

どういう展開だよこれ。

 

なんだか演劇を見せられているような感じだ。

 

こっちは、熱もあって気分も悪くて、疲れている。

 

300ルピーの男のオートリキシャに乗り込む。

 

最後まで狂った男は僕に交渉してきた。

 

周りの男たちは、狂った男を「こいつはファイターだ」と言っていた。確かにガタイが良くて、殴り殺されそうだ。

 

オートリキシャに乗るときは、なんども値段と、直接目的地へ行くことを確認したほうがいい。僕は、何度も尋ねたし、お前を信じると何度も言った。

 

ウッドリア交差点までは17kmの道のりだ。かなり遠い。

 

途中、水を買おうと言ってきたが、直接行くと言っただろう、僕は水はいらないと強く言った。

 

隙を見せると、金を取りに来る。

 

気分の悪い中、常に気を張っていないといけないのは辛い。

 

↑駅前あたりの様子

 

道沿いには、石のマーケットがあるらしく、非常に土煙が多い。

 

オートリキシャの揺れに、止めようと思っても下痢は少しづつ漏れ出て来る。

 

途中、奥さんから電話があったからかけ直すとか、こっちの道の方が近道だとか、色々怪しい出来事もあったが、なんとかウッドリアまでたどり着いた。

 

けっこういいオートリキシャだったと、今振り返って思う。

 

ウッドリア交差点からは10分ほど歩く。

 

ウッドリア交差点からガンジス川方向へは、車は入場できない。

 

バラナシは、デリーと比べ物にならないくらい人が多い。

 

人混みで全然進まない。

 

もう少しで、ゲストハウスに着く。それまでは倒れちゃいけない。

 

ゆっくり進んで行く。

 

スリに気をつける。

 

子供の手の高さがちょうどポケットの位置であり、スリが多いらしい。

特に、ホーリー前なので、スリが頻発しているとのことだ。

 

事前にメールをもらっていて、道順も分かりやすく描いてもらっていたので、スムーズに行くことができた。

 

最後に牛がいる路地を通り抜けると、ゲストハウスに到着した。

 

よく頑張った、自分!

 

青年は、安堵した。

汚い格好のまま、ゲストハウスに到着した。

この後、もっとも恐ろしい事件が起きるのだが……。